シューマンの幻想曲op.17

シューマンのピアノ音楽[ムジカ叢書] (ムジカノーヴァ叢書 (16))という本の序文にロラン・バルトが「シューマンは、まさに孤独な親密性と恋情を秘めた魂を表現し、そっと「語りかける」音楽家である」と書いたように、シューマンの音楽はヘッドフォンで聴くのに適した音楽のような気がしますね。シューマンに関する著作物もロラン・バルトがフランス人であるように、(おそらくフランスの中では少数にもかかわらず)バルト、ボーフィス、マルセル・ブリオンのシューマンとロマン主義の時代のようにフランス人のものが読んでいて楽しい(単に翻訳があるだけかもしれませんが)。

上記の「シューマンのピアノ音楽」の中でボーフィスが「ロマン派音楽の大憲章」といった『幻想曲Op.17』のCDで
mp3に変換して常に持ち歩いているのは、

シューベルト:さすらい人幻想曲/シューマン:幻想曲

シューベルト:さすらい人幻想曲/シューマン:幻想曲

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番

ぐらいです。

リヒテルの演奏は圧倒的です。そのロマンティックでスケールの大きな演奏を聴いてしまうと、
なかなか他の演奏を聴いていも物足りなくなります。
同じソビエトにはソフロニツキの演奏などもありますが、もしかすると凄い演奏かもしれませんが録音に恵まれていません。

ポリーニの演奏(1973.studio)は、とても若々しい青春そのものの演奏です。影がない南国の演奏。聞きほれてしまいます。
でもポリーニには CD−Rのライブ盤があります。CD−R盤(1979.8.19LIVE)は一転翳りのあるシューマンが聞けます FKMというレーベル名になっています)。

ホロヴィッツの演奏は1965年のHistoric Returnの演奏ですから、そのテンションの高さからくるミスもありますが、その誰も真似しそうにない独特の演奏スタイルと音色はまた凄いものです。

それ以外のCDは

アムラン(ソナタ2番が、アルゲリッチと並んで名演)
Fantasy / Etudes Symphoniques / Piano Sonata No 2
小菅 優
リスト:ヴェネツィアとナポリ
ブレンデル(フィリップス2種 最初のヴァンガードのが見つからないや)
シューマン:ピアノ協奏曲
アルゲリッチ
シューマン:幻想曲&幻想小曲集
アシュケナージ
シューマン:アベッグ変奏曲
バックハウス
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番、シューマン:幻想曲ハ長調 (Brahms : Piano Concerto No.2, Schumann : Fantasia / Backhaus)
アラウ
シューマン:幻想小曲集
デムス
Schumann: The Complete Piano Works (Box Set)
プレトニョフ
Pletnev Plays Schumann
モイセイヴィッチ(廃盤?)
Fantasie Fantasiestucke

メジューエワ(Amazonで 見つからない)

ジャノリ
Schumann: Complete Piano Works
ルビンシュタイン
Rubinstein Collection 52


ぐらいあったんですが、
今最もお勧めは竹村 浄子さんの演奏するCDです。

シューマン:子供の情景(全曲)

シューマン:子供の情景(全曲)

竹村さんのCDはシューマンが2枚と最近のものが1枚ぐらいしか出ていないようですが、

この幻想曲の演奏は聴いていて、最初にリヒテルを聞いたとき以来の感動です(アマゾンとかで見つからなくても本人のサイトに行けば購入可能みたいです)。

n'Guin HOMEPAGEでもおすすめCDになっています(「おすすめの曲」の幻想曲の追補)。
興味のある方はぜひ。