twitterを見ていたら今日11/10は 長田弘さんの誕生日だそうだ。詩は今は全然読まない(本棚には50年くらい前に買ったボードレールがあったりするし、福永武彦全集にも詩ははいっているけど)。ただ若いころこの人の『私の二十世紀書店』(中公新書)は大好きな本の一つだった。その後みずす書房 から 定本「私の二十世紀書店」ででているので、それも本棚にある。

www.msz.co.jpこの本の中でマヤコフスキーロルカシルヴィア・プラスを知ったし、バルトークアメリカ亡命と死、「チェコ戦後史の謎」のヤン・マサリクの死の話。そしてあの頃大好きだったボリス・ヴィアン。あの風と共に去りぬマーガレット・ミッチェルは「北米ジョージア州アトランタで・・・若い女は、毎晩ベッドのそばに実弾をこめたピストルをおいて寝ていたのだった。」というあのハリウッドのきらびやかな話を真っ向から否定する書き出しで始まる。LGBTの時代に「風と共に去りぬ」はそぐわないが、この本を初めて読んだ70年代から80年代はまだ昔の栄光が残っていた。その時に長田さんの本は「へぇー」だった。ミッチェルの心の闇は「100分で名著」でも出てこなかった。この本「私の二十世紀書店」が出たころは、レーニンはまだ輝いていた時代だった、今NHKの新・映像の世紀に出てくるレーニンは収容所をつくった独裁者(スターリンではない)だ。

www.nhk-ondemand.jp今はもう二十一世紀も20年代だ。