ipodのある今はいいですね。

 学生時代はまだCDなんかなくて、音楽を聴くのはLPレコードとFM放送とカセットテープだったのですが、若いときは時間があれば音楽が聞きたいものだったから、ウォークマンのようなものは本当はとても欲しかったわけです。でもクラシック音楽を聞くのには使えませんでした。

 当時はLPレコードをかけるにもワウ・フラッターのような揺れから逃れられなくて、ハイエンドオーディオを聞く人たちは、ベルトドライブや糸ドライブのターンテーブルにLPレコードの反りを無くすために重しを載せて聞くといったいろんなことをしてたわけですが、ウォークマンのような小型のテープ再生装置のそういった回転ムラはもっとひどくて、ピアノの音をウォークマンで聞くと、
ピアノの音がポーンのところがポヨヨ〜ンと聞こえるわけです。
 これでは、マウリツィオ・ポリーニのピアノなど聞けたものではないから、ウォークマンやテレコといわれるものではピアノ音楽は殆ど聞かなかった記憶があります。オーディオにある程度こだわらないとクラシック音楽をそれなりの音で聞けなかったのが昭和の時代だったのです。

 MD以降デジタルになってからはそういった音の揺れから開放されたのですから、これはクラシックファンにとっても音楽を携帯できる時代になってきていました。ただ、MDはその基本性能がCD以下に設定されていましたからクラシック系の音楽を聴く人間にはそれほど魅力的ではなかったと思います。クラシックを聞く人は、MDではなく携帯CDプレーヤーを持ち歩く方が手っ取り早いと感じていたのではないかと思います(クラシックはレンタルCDでは扱いが少なく、購入する人の方が多かったと思います。だからMDにダビングする手間が面倒なわけですから)。
 私が積極的にCDをMP3に変換をかけ始めたのはやはりipodのような携帯音楽プレーヤーを購入してからです(最初は東芝の初代GIGABEATでした)。
 そのころ パソコンの雑誌では、音楽評論家の萩原健太さんがLAMEを使ってMP3へ変換している話が連載されていて、興味を持って読んだものです。

 今もCDからの変換はiTunesAACではなく、LAMEでMP3です。
 iTunesも今は-ちょっとしたことですが-クラシックに対応してギャップレス対応ができます。

 その上、今はカナル型イヤフォンで効果的にノイズを遮断したり、BOSEのQuiet Comfort のように電気的にノイズキャンセリングできるものが出てきて、街中でもあの地下鉄の騒音の中でもクラシック音楽が聞ける環境が出てきています。これは凄いことです。
 高層ビルの立ち並ぶ街中で、グールドやアファナシエフの弾くブラームスの間奏曲が聴けるなんて昭和の時代からは考えられないことです。
 
 ホント 音楽をつれて街に出られる時代になってきてますね。

P.S.でもiPODで聞いているのは音楽よりポッドキャスティングを聞いていることの方が多い。(^.^)