若者殺しの時代

最近読んだ新書の中ではおもしろかった。

なぜって、1980年代〜1990年代〜2000年代という25年間(四半世紀)をどう位置づけるかを振り返る上で道しるべになる本ですよ、これは。

 目次を並べると
1.1989年の一杯のかけそば
2.1983年のクリスマス
3.1987年のディズニーランド
4.1989年のサブカルチャー
5.1991年のラブストーリー
6.1999年のノストラダムス
7.2010年の大いなる黄昏、あるいは2015年の倭国の大乱

 例えば携帯電話と“月9”のドラマを関係付けながら論じていくところや、クリスマスがいつから恋人たちのものになったのか とか「へぇー 目からウロコ!」(⌒▽⌒;) オッドロキーってな感じです。

 しかもたかだか新書の厚さの本を書くのに膨大な調査が必要だったことはそのデータを見ていてもわかる。

私事ですが 会社にはいったころ1984年ごろですがクリスマスは男女ともみんなでパーティーしていて、恋人同士のものではなかった記憶があります。"( ^-^)/且☆且\(^-^ )"

 “月9”の【東京ラブストーリー】の中でカンチとリカが仕事の緊急事態で「でっかい」携帯電話で連絡をとりあっているのをこの間、ケーブルテレビで観ていて懐かしいなと思っていたら、携帯がいつから個人と個人を線的につなぐものとなり、それが逆に空間としての社会を壊していったのかを論じているのはまあそんな感じです。

 そうあのSFの名作『ブレードランナー』にも携帯は出てこないし、『ALWAYS三丁目の夕日』の中の未来像にも出てこない。
 携帯は昔の人の未来の夢の中には存在しない。
スタートレック』には携帯のような通信機が出てくるし、『ウルトラマン』『ウルトラセブン』にはもっと小さなバッチや時計のような通信機は出てきますが、なぜか 通信機と今の僕たちの携帯電話は似て非なるものです。

 そしてこの25年間のトレンドは女性を中心につくられたもの。クリスマスのくだりを読んでいると、"an an"という雑誌は偉大です。
 それに対し、popeyeのような男性雑誌は情けない。(^_^;)

 お勧めの本です。

講談社現代新書 堀井憲一郎 『若者殺しの時代』

若者殺しの時代 (講談社現代新書)

若者殺しの時代 (講談社現代新書)